
こんにちは、ドクター朝枝です。
今日から2回に分けて、私たちの体の中で毎日起きている、ものすごーく不思議で、ちょっと愛おしい「細胞たちのワンダーランド」のお話をしようと思います。
ねぇねぇ、みんな。
私たちの体って、約37兆個もの細胞からできているって聞いたことない?
このたくさんの細胞たち、実は毎日毎日、古いものから新しいものへとバトンタッチするために、一生懸命「コピー(細胞分裂)」を繰り返しているんです。
髪の毛が伸びるのも、傷が自然に治るのも、全部この細胞たちのコピーのおかげ。
人間の体って、本当にハイテクで完璧なシステムだなぁって感動しちゃうよね。
……でもね。
実はこの細胞のコピー職人たち、けっこう「あわてんぼう」なんだよ〜(笑)。
細胞を新しく作るときには、設計図である遺伝子を含む「DNA」をそっくりそのまま書き写す(複製する)作業が必要になります。
この設計図の文字数、なんと細胞1つの中に全部で「約60億個」もあるの!
もうちょっと詳しく言うとね、A・T・G・Cという4つの文字30億個ずつが、AとT、GとCがお互いに向かい合ってペアを組むことで、全部で60億個の長〜いハシゴを作っているんだよ。
気が遠くなるような長さだよね。
あわてんぼうのコピー職人たちは、毎日毎日、
「えーっと、次はAの向かいだからTで、その次はGだからCで……」
って、ものすごいスピードでこの60億個の文字を書き写してくれているんだけど。
実はね、この60億個もある文字の中で、本当に大切な「遺伝子の情報(エクソン)」が書かれているのって、全体の1割程度……いや、実際にタンパク質を作る部分だけで言うと、わずか「1.5%くらい」しかないんだよ〜!
残りの9割近くは、昔は「ジャンク(ゴミ)DNA」なんて呼ばれていた、一見何に使うか分からない余白の部分。人間の設計図って、実はほとんどが「壮大な余白」でできているんだよね。
でも、職人たちはその余白も含めて、毎日大真面目に60億個を全部書き写しています。
でね、ここからが本題。 この職人たち、あわてんぼうすぎて、実は【毎日、数十万個】ものペースで、うっかり書き間違い(複製エラー)をしたり、設計図に傷をつけたりしちゃうんだよ〜!
「えっ、毎日、数十万個!? そんなに間違えてるの!?」って思うよね。 そう、私たちの体の中では、気づかないうちに毎日それだけの数の「エラー」が生まれちゃっているの。
この「傷」をそのまま放っておくと、細胞が暴走して、みんながよく知っている**「がん細胞」**になっちゃうのね。
「ええっ!?じゃあ私の体の中、いま傷だらけで大ピンチなんじゃないの!?」 って不安になったそこのあなた。
ふふふ、大丈夫。安心してください。
私たちの体の中には、そのあわてんぼうがつけた傷を24時間体制ですぐに直してくれる、超優秀な「救急隊」が裏でこっそり大活躍してくれているんです。
実はね、この救急隊のファーストエイド(応急処置)の主役に「glycosylase(グリコシラーゼ)」っていう、傷ついた文字(塩基)をピンポイントで見つけて、チョキンと切り取ってくれる凄いハサミを持った隊員がいるの。
……って、なんでそんなマニアックな名前を知っているかって?
ふふふ。
何を隠そう、このドクター朝枝、昔この「glycosylase」を使った『塩基除去修復』という、まさに救急隊のガチの研究を、研究室で夜な夜なやっていたんです!
あわてんぼうがつけた傷を、細胞がどうやってきれいに直しているのかを最前線で追いかける日々を送っていました(笑)。
だから、みんなの体の中でこの救急隊たちがどれほど健気に、正確に私たちの命を守ってくれているか、私は誰よりもよ〜く知っているし、心の底からリスペクトしているんだよね。
じゃあ、その救急隊が一体どれだけの神業で傷を直してくれているのか?
そして、それでもすり抜けてしまったがん細胞を、さらにやっつける次の相棒とは誰なのか……?
その驚きの秘密は、次回のブログ「がん細胞は毎日できてるんだよ〜」でたっぷりお話しします!
(ヒント:実はドクター朝枝、昔その次の相棒たちが使う“最高の武器”を作っていた職人でもあったんだよ〜笑)
次回をお楽しみに!
今日も無理せず、ゆる〜くいきましょう〜。
それでは、またね!
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